秋の人との図書館

車で40分の道のりを私はとてもはしゃいでいたと思う。

「忘れないうちに」と買ってきた珈琲豆を渡した。ジップロックで封をしていたけど、少し開けて珈琲の香りを楽しんだ。秋の人は『これ・・・』とお菓子をくれた。

私は初めて会う人(マッチングアプリでも)手土産を持参していたけど、貰ったのは初めてだった。

私はぶっきらぼうに手土産をくれるの秋の人が単純に人として好きだなーと思った。会うことを楽しみにしていてくれた証拠みたいな手土産。

彼と図書館で色んなことを話した。とても大きな図書館で子供たちの声やみんな勉強したり、本を読んでいる中で私達は横に並んで話をした。

秋の人は職業と職場も教えてくれた。頭がいい人だったので、私がそれを知ることで安心材料になるということ、私の事を信用してくれたという合図だと受け取った。ケラケラと私が笑うと秋の人は少し悔しそうな顔をして自分の方に私を引き寄せた。

座っている肩から背中、その下まで手を添わせて『ええな』と言ったので、「何が?」と恥ずかしさが込み上げて怒ったみたいに聞いた。

『ええケツしとる』

私はまたケラケラと笑った。もう少しオブラートに包んだ方がスマートだし、性的な事を決して言わなかった彼がそんな事を言うのがおかしかった。

二人とも惹かれあって手を繋いでいた。大きな手で安心した。

秋の人が沢山話したから、珈琲でも飲もうと言って1階にあるスタバへ移動した。

移動の時もまた『立派なケツや』と言うので「せめてお尻って言って」と言うと『いいケツはいいケツや』と屁理屈を言ってまた私を笑わせた。

秋の人との初めまして

ここからは大切な思い出なので記録として詳細に思い出を追いかけるみたいに綴っていきたい。

初めましてをした秋の人は想像していた人と随分と違った。背が高く体付きもしっかりしているのに小動物みたいな顔をして、実年齢よりも若く見えた。

そうなってくると実年齢が三つ上の私は気後れした。秋の人はどう思っているのだろう?少しでも痩せてみえるように青色の縦のストライプのワンピースを選んだ。「おばさんに見えたかな?太って見えたかな?(太ってるけど)」

秋の人は散々遅れてしまったことを詫びて『さてと、どうしますか?』と言った。車に乗るのをもう躊躇していなかった。

私は図書館へ行きたいと希望した。

私の大好きな図書館。

秋の人との会う

待ち合わせ場所は私の街から乗り換えが少なくて住む場所にしてくれた。

秋の人は車で迎えに来てくれるという。流石の私も車には直ぐに乗りたくないので、少しお話してから乗りたいと希望した。

オタクで臆病な私は駅周辺の地図を見て、北口のこの辺りなら車を停めても問題ないなさそうです。と簡単な説明を付けて地図を送付した。それからお茶をできるお店と何軒か夜ご飯のお店をピックアップした。

秋の人はこのことを何故かとても気に入ってくれて、そういうことを出来る人はなかなかいないと褒めてくれた。褒められるのは誰でも嬉しいし、彼が口に出して褒めてくれることは、この後も私のモチベーションになった。

駅の北口で待った。

彼は前の予定が長引いて5分遅刻すると連絡が来た。その遅刻が私の気持ちを高めた。何度も5分の間に鏡を見た。お気に入りの口紅を付けてきた。だから大丈夫!勝負師でもないけど、私なりのゲン担ぎ。

珈琲が好きだと言った秋の人に挽きたての珈琲豆をお土産に持ってきていた。

5分より少し遅れて彼の車が北口のロータリーに停まった。

秋の人との電話

秋の人はキッチリした性格だった

いついつ電話をしましょう

予定通り電話しても大丈夫ですか?

これからコンビニにいくと言う理由で出かけます

初めて声を聞いた・・・当たり前だけど

声が少しかすれていて関西訛りだった。敬語が少し混ざっていて、会うにあたって不安がないように心がけますと言ってくれた

楽しくて嬉しくてコンビニに行くと言うには少し無理がありますよ。と言ってからも名残惜しくて10分ほど話を続けた。在り来りだけど誠意があると人だと感じた。

お互い楽しかった気持ちは同じだったのだろう。電話とLINEのやり取りだけでは足りなくなってきた。

隣の県に来る予定があると連絡があり、会いに来てくれると言われた。私は私なりの誠意としてその予定のある県まで会いに行きますと伝えた。

彼の顔写真は見ていなかった。インスピレーションで顔はなんでもいいか!慣れるし。

タイミングが合った。私の好きなタイミングが合う人。長く一緒に居たかった人。

秋の人とのやり取り

もう一人の秋の人は随分と変わった人だった。私はややこしい性格で、マッチングアプリでのやり取りでメンヘラと言われることも多々あった。

でもそれには不満を抱いていて、言い方は悪いが髪の毛が生えていなかったらハゲはハゲだけど、メンヘラは精神科医でもなければ主観でしかない。なんの専門性もない人にそんなことを判定されたくない。これらをいうとまたメンヘラと言われるのでグッと我慢しているが・・。

秋の人には私がそういう人間であると自ら打ち明けた。秋の人は構わないと言った。

彼は私の住む街から二つ隣の県に住んでいた。私は会うまでに少しのやり取りと電話での会話を要求した。

彼はそれ快く応じてくれた。

やり取りはごくごく普通のものだった。今まではたくさんスケベなことや夫婦間の話を聞かれた。なのに彼は聞かなかった。いくらやりとりをしても聞かれなかった。

私は拍子抜けしていた。

そしてやり取りが続いたのでいよいよ電話をする日がやってきた。

晴天の結婚式

今日は天気が良くて、家にひとり。2回目の洗濯機の音を聞きながら少し思ったことを。

私の結婚式は絶対に雨だと言われていた。気合を入れれば入れるほど全ての楽しみな一日は雨になる。ハワイ旅行で二日続く雨はなかなかないと言われた時からそう確信していた。

結婚式へのごねまくりの道のりは割愛するとして、晴天の確率が高い10月に式を挙げることにしていた。お金持ちの別荘だったガーデンチャペルのある式場を選んだ。低いなりのプライドで一組限定の式場。主役と呼ばれる日に可愛らしい他の主役にその場を奪われるのが嫌だったので、一組限定にこだわった。

宗教心がないので神には誓わず、参列した人の前で愛を誓う人前式にした。誓う言葉は自由だったので二人で考えた。いや、ほぼ私が考えた。

日頃の行いの良さと人生の運を最大限に使ったのか当日は晴天だった。気温は違うけど今日みたいな青空。

病める時も健やかなる時も二人で寄り添いみたいな在り来りの誓いの言葉。その誓い通り旦那氏はそうしてくれている。

誓いの言葉に相手のセックスがしたい時は二回に一回くらいは応じます。と入れていたらセックスレスにならなかったのだろうか?

そもそも両家の前でセックスのことなんて誓いの言葉にいれたらまずいよな。少なくとも私の父は居た堪れないだろう。

旦那氏とは結婚前の付き合いが長かった。会う度におっぱいを触るのはやめて欲しい。会う度セックスは嫌だと喧嘩したこともある。

時々、私は旦那氏と一生分のセックスをもうしてしまったのかもしれないと思う。

十数年前に拒んでいたものを今になって求めるなんて、ない物ねたりの典型。

洗濯が終わったメロディが聞こえたので振り返りはおしまい

秋の人 ①さん

その人は大阪の二つ年上のバツイチ子なし①さんだった

単純に好みの顔立ちと、結婚歴があり結婚願望がないこと、会社の経営者であること、その支店が私の県にもあること(出張などでくることが多い)がポイントだった。

早々にLINEを交換した。

写真をやりとして私の事が好みだと①さんも言ってくれた。なんどか電話で話しては電話で少しエッチなことをしたりした。

①さんは早く会いたいと言ってくれたが、経営者の彼は忙しかった。そしてコンスタントに毎日LINEをくれるような人ではなかった。必要なことを連絡するタイプの人で、私はそれが少し不満だった。

自分の中で盛り上がると暴走するタイプなので、早く会ってみたかった。けれど予定がなかなか合わない。私自身が無理矢理でも予定を合わせようとするタイプなので、そうしてくれないことに苛立ちを募らせていた。

そしてこう思うのだ。少し電話でエッチなことしたじゃん!

それはお互いがしたかったからしたのに、私はいつもそれを免罪符のように使ってしまう。

give-and-take

これしたんだから、してよ!

それは私の傷を和らげるための予防線なのだけど、相手にはそう伝わらない。鉛のようにからみつくその重さに耐えられないのだろう。

歯車が合わなくなって、連絡をするのもくるのも駆け引きみたいになってなにも楽しくなかった。

当然①さんも同じ気持ちだった。

秋の人

私はマサさんと連絡が途絶えるようになってもう待たなかった。深夜のおしゃべりタイムがなくなって寂しかった。

それを埋めるみたいな気持ちで新しくマッチングアプリを始めた。もうこの頃にはマッチングアプリもメジャーになっていたし、受け入れられる年齢層も広くなっていた。

私は恋愛をすると、世間で言う用語の“沼”になりやすいタイプだと自覚があった。恋愛以外でものめり込む性格。

それらを自覚し、さらに元彼とタケトとおじさんとマサさんの経験値を元にマッチングアプリでは

・距離がある程度は離れている人

・既婚で奥さんと性的には不一致だけど、家庭は円満な人

・不倫をする金銭的余裕がある人

これらを念頭にした。

とはいえ誕生日を夏に迎えた私は41歳になっており、まぁ年齢を気にするような人なら上手くいかないし正直にプロフィール欄を書いた。

私は顔が分からない写真を使ったけれど、お相手の人達は嘘か誠か既婚者の人も堂々と顔を公開していた。

マッチングしても会話が続かなかったり、盛り上がらなかったり、道のりは険しかった。

プロフィールの見本として少しだけ拝見出来た女の子たちはものくすごくキラキラした感じで、苺狩りの最中に遠目からプロが撮ったような写真で、すでに何歩というレベルではなく何キロもの差が付けられているような気がしていた。

私にいいねをしてくれるのは、おカラダ開発系の人か変わった人しかいないだろうと達観していた。

もう別のマッチングアプリでもやろうか、プロフィールを嘘ついてしまおうか迷っている時に二人の人とマッチングした。

その内の一人が私の秋の人になった。

中イキ開発人

中イキ(挿入で)したいという情熱が私にはあり、何だか未知の快楽な気がして胸が弾む。

実際はほぼ何も感じないので、道のりは程遠い。私は相手が好きならそれが出来ると信じていたので、もどかしくなっていた。

アダム徳永

しみけん

ポルチオ開発本

などオタク気質がある私は読み漁った。そして、ネットでもたくさん検索した。すると中イキ開発人と呼ばれる人がいることを知った。

私は自分の地域で良さげな人を見つけてコンタクトをとった。現状の性生活と中身などを事前に確認された。そしてお気に入りの自撮りのごとく、自分のイチモツの写メを送ってくれた。

社長業の傍らに中イキ開発を趣味でしているという人だった。一度中イキを味わえば自転車に乗るようにその快楽を味わえる。そう言っていた。

もう人に自転車乗せてもらえばいいや!

そんな気持ちでいた。

約束をした日に待ち合わせ場所に出かけようと車に乗っていると、時間を少し伸ばして欲しいと連絡がきた。

(おいおい、家出るって連絡してるんだからその時に言えよ)

「もう出発しているから現地で待つね」と返すと『何時になるか未定』と返事が来た。埒が明かないので電話をしたが出ない。

車をコンビニに止めて『 ごめん、日程変更して』と届いたLINEに私は怒り、「電話してるんだから電話で謝るのが筋だ」と電話を掛け直した。

出ない・・・

しばらくして確認するとLINEはブロックされていた。つまり私は中イキ開発という人の役にたちますよ!とうたいながら、実はスケベなおじさん。

見た目は王子様の振りをしたガマガエルに振られたのだ。ガマガエルに振られることなんてあるのだろうか?

まだ何もしていないのに。

今でもその人は中イキ開発しますよ~とブログに絶賛宣伝中。

ガマガエルさん、振ってくれてありがとうございます

155万+4000円=

マサさんに最終的に渡した金額。直接手渡しをしたり、通帳に私が入金し、マサさんがガードで引き出しということもしていた。

私が現状の生活に何も影響もなく渡せる金額は150 万円だと最初から決めていた。

初秋の頃、マサさんの奥さんがマサさんの浮気を疑いだしていた。彼のお金が必要な理由は夫婦でお金のことを話し合うことをしない、コミュニケーション不足も要因していた。

夫婦してお金を管理するノウハウを持っていなかった。私は両親から生きる上で必要なお金のノウハウを叩き込まれていた。だから150万を返済すると言ったマサさんの気持ちは別にして返済は不可能だと分かっていた。返済するには借りた倍の金額が収入として確保されていなければいけない。

大きな会社の経営者でもない限り無理だし、そもそも三ヶ月足らずで150万不足する生活状況は異常だ。

マサさんに私は「奥さんに疑われたのを良いきっかけにして家族としていろいろと見直した方がいい」と伝えた。お金に困るということは喧嘩の原因にもなるし、それをマサさんの息子も知ることになる。中学生には辛いこと。

マサさんはそれを受け入れて連絡が途絶えた。

私はマサさんのことを忘れることにした。お金を渡しても彼の家族のことにまで関わるのは違うと思ったから。お金を渡したことでバランスが崩れたから。

でもマサさんのことが好きだった。

抱かれたいと思った初めての人だった。

だから私は最後にそっと自分の通帳の残金をそのまま共通の通帳に移した。それが5万4000円。

1ヶ月してマサさんからまた連絡があった。まだ奥さんに疑われて大変だと言っていた。「もうキャッシュカードも見つかると良くないから捨てて」と私は言って「気持ちだけお金入れてあるから」と加えた。

しばらくして通帳を記帳したら残金が0円になっていた。端数の4000円迄もきっちり引き出しされていて虚しかった。

私から根こそぎ奪うのだな。

自分がしたことは間違っていた。間違っていても分かっててしてしまった。

今頃マサさんは東京の深夜の街を眠い眠いと言いながら、酔っ払いを乗せたり、近い距離のハズレのお客さんを乗せているのだろうか?どこかでタクシーを停めてタバコをふかしているのだろうか?

レインボーブリッジを通ると織田裕二のモノマネしてたくさん笑わせてくれた人。

しばらく東京には行けそうにない