Tinder#冬の人-⑩

『初対面でこんなこと言うのはどうかと思うし、nanaの意志を尊重していい。二人で過ごせるところに行きたい』

私も大人だ。それが示すものがカラオケじゃ無いことくらい分かる

「えーーっ!!!」

と大袈裟に言って、彼が少したじろぐのを見てから

「私も同じ気持ちだー!!!」

と更に大袈裟に言って、レモンビールを飲んだ私たちは路地で声を出して笑った

二人とも気持ちが急に抑えきれなくなって行動したので、この近くにラブホテルがあるかさえ分からなかった

いい大人二人がgoogleMAPを頼りにラブホテルを探して歩いた

スマホを手にしながら必死な二人はひどく滑稽だった

“あと五分”

寒かったので励ましあった

googleMAPが案内してくれたのは、隣に熟女キャバクラの煌々とした看板がある古ぼけたラブホテルだった

ニューヨークが本店の有名なブランドと同じ名前のラブホテルは、ニューヨーク感は全くなく部屋が和室で二人してまた笑った

私の終電を気にしてくれて、ラブホテル特有の匂いのするサラサラのシーツに二人ではしゃいでダイブした

ヘラヘラと笑う私を冬の人が何も言わず見つめて来たので、胸が急にドキドキと音を立てたのが分かった

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